デザインに興味があって始めようと思っているけど、webデザイナーとグラフィックデザイナーのどちらにしようか迷っている方も多いと思います。同じようなイメージがあって、違いがよくわかりませんよね。そこで今回は両者の違いをわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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webデザイナーとグラフィックデザイナーの違い
両者の違いは、細かく見るとたくさん挙げられますが、ここでは主要な部分にしぼってご紹介します。
■媒体が違う
webデザイナーとグラフィックデザイナーの大きな違いは、デザインする媒体が異なることです。webデザイナーは、ホームページやメディアサイト、LPなどのweb媒体で、グラフィックデザイナーは、広告やチラシ、フライヤー、商品パッケージなどの紙媒体がメインです。
■求められる能力が違う
webデザイナーはwebページのデザインのみならず、レイアウトや構成を考えることも主な仕事ですから、コーディングの知識やデザインソフトの使い方など、覚えることがたくさんあります。しかし、webデザインにはある種の法則性のようなものがあるので、一度やり方を身につけてしまえば応用がしやすいといった面があります。
それに対して、グラフィックデザイナーは紙媒体という限られたスペースにはなりますが、レイアウトやフォントは自由なので、その分いかに効果的に表現するかといった優れたデザイン力や発想力が必要とされます。
■仕事の範囲が違う
webデザイナーは、webページのレイアウトや構成を考えてデザインするのが仕事で、そのデザインを元にしてプログラマーやコーダーが仕事を引き継いで完成させるというのが一般的な流れです。
一方、グラフィックデザイナーの仕事は、企画から始まり、デザイン、レイアウト、編集、校正、入稿といった多岐にわたる内容で、webデザイナーと比べるとより長いスパンで1つの案件に取り組むといった特徴があります。
webデザイナーとグラフィックデザイナーの向き・不向き
どちらに向いているのかについて、判断するためのポイントをお伝えしていきます。一言でいうと、webデザイナーはwebページを「設計する」ことに興味があり最新の情報にも敏感な方、グラフィックデザイナーは「クリエイティブな作品を作る」ことに興味がある方に向いています。
webデザイナーは、複雑な仕組みを理解して最新の動向を取り入れながらwebページをアップデートしつづけていく側面があるのに対し、グラフィックデザイナーは限られた紙面上にクライアントの意向を尊重しつつも、自由な発想で1つの作品を作り上げるクリエイティブな要素が強い仕事だからです。こうしたことを踏まえて、まずは興味のある方から取り組んでみてはいかがでしょうか。
ただ、お伝えしておきたいのは、プログラミングやコーディングが難しそうだからという苦手意識でwebデザインを避けてしまうのはもったいない、ということです。理由として、webデザインで求められるプログラミング的スキルはそれほど高度ではないので、誰でも身につけることができるというのが一点。
そしてもう一点は、最近では紙媒体が縮小傾向にあり、web媒体へと移行してきているので、webデザインができると活躍の場が大きく広がるということです。ですから、ゆくゆくは両方できるようになるのが理想的といえるでしょう。
webデザイナーとグラフィックデザイナーの将来性
EC市場の拡大やインターネット広告の増加により、webデザインの仕事は今後も需要が高まっていくことが予想されています。ただし注意しておきたいのは、単純にwebサイトのデザインができる人材ではなく、UI/UXやフロントエンドの知識を身につけ、より付加価値の高いサイトを生み出せる、プラスアルファのスキルを持った人材が求められているということです。
一方、出版や広告による印刷物の需要は低下しwebへと移行してきているため、グラフィックデザイナーの地位は安泰とはいいきれません。しかしグラフィックデザイナーには、デザインの基礎力があり、デザインソフトの扱いに長けているといった有利な面があります。
ですから、コーディングやwebマーケティングのスキルを身につけるだけで、一気に重宝される存在となる可能性があります。さらに紙媒体は縮小しているとはいえ、完全になくなることはありえませんし、映像やゲーム業界においても高度なグラフィック表現ができるデザイナーは常に求められていますから、活躍の場はむしろ広がっていくものと考えられます。
webデザイナーとグラフィックデザイナーの給料
webデザイナーの平均年収は360万円、グラフィックデザイナーの年収は330万円程度だといわれています。webデザイナーのほうが若干高いことがわかります。クリエイティブ職種全体の平均年収は381万円ですので、両者はともに職種の中では平均より下に位置しています。年収は一般のデザイナーからキャリアアップし「クリエイティブディレクター/アートディレクター」「Webプロデューサー/ディレクター」といったマネジメントなどを行う管理職・責任者ポジションになることで大きく上がります。
補足すると、この数字はグラフィックデザイナーの場合、勤務する企業の規模やキャリアによって大きく変わってきます。大手広告代理店に勤務すると、30代で年収が1000万円を超えるケースもあります。webデザイナーの場合は、勤務先が中小規模のところが多いので、それほどの年収のひらきはありません。
ここまで、webデザイナーとグラフィックデザイナーの違いについて解説してきました。同じデザイナーという職種であっても、異なる部分がたくさんありました。どちらを選ぶかで迷うこともあるかもしれませんが、近年では兼務する方も多くなり、これから長く活躍していくためには両方できて重宝される人材になる必要があります。まずは興味のあるほうから始めて、最終的には両方のスキルを身につけていくことをおすすめします。