メディア系の仕事の中でグラフィックデザイナーはあこがれの職業として人気を集めています。しかし、実際に仕事をしてみるとデザインを続けることの難しさや労働環境があまりよくないことから業界を離れていく人も少なくありません。これから職業に就く人はあらかじめ辞めたくなる理由を確認し、よりよい選択ができるよう参考にしてください。
グラフィックデザイナーを辞めたくなる主な理由
1つ目は働く環境の悪さです。デザインの出稿日、納品日に合わせて仕事を進めるため労働時間が長くなりがちです。そのため時間どおりの出勤や退社ができる日がほとんどないのが実情です。そのうえ、労働時間の割に一般的な職業よりも給料水準は低めになっています。仕事が認められると高い金額で契約してもらえますが、徹夜になっても残業代などつきません。
2つ目は心身の疲労です。炎天下や雪の中の作業はありませんが、1日中PC作業をするのは想像以上に疲れ、眼精疲労は常につきものです。成果やセンスがものをいう世界なので、そのせいで上司や同僚から妬まれたり、先方の理不尽な要望に振り回されたり、人間関係の悪さから心身が疲弊してしまいます。
3つ目は業務内容です。業界分析が足りておらず業務内容が似た職種と混同しているため理想と現実のギャップを感じるようです。
4つ目はデザイナーが向いていないと思うことです。経験が長くとも先方の好みに合わなければ満足してもらえません。要望を的確に汲み取り0からつくりあげていくことは想像以上のストレスがかかります。自分がデザインしたものを否定されたり、後輩に抜かされたりすることは苦痛ですよね。
仕事を辞めたいと思ったときのポイント
「グラフィックデザイナーを辞めたい」と「会社を辞めたい」のどちらであるか整理する必要があります。辞めたい理由を深堀しましょう。あまりにもダメ出しを食らうと悲観的にもなりますが、先方との相性が悪いだけかもしれません。自分の得意なデザインができる会社なら続けていきたいと思うなら転職しましょう。
正社員にこだわらない働き方に視野を広げれば、独立や副業デザイナーなど多様な働き方を選択できます。デザイナーが向いてないと思っていても一般の会社では秀でる知識となります。転職先でのコミュニケーションツールとしても発揮できるでしょう。必ず役立つので思い切って異なる仕事に就くのもひとつの手です。
ただ時期を慎重に見極める必要があります。履歴書上経験値として記載ができると転職が楽になるからです。ほとんどの求人が実務経験1年以上か実務経験3年以上で枠を設けています。
グラフィックデザインの経験を行かせる仕事とは
スキルを活かせる仕事は多くあります。
1つ目はインハウスデザイナー。企業内デザイナーともいわれ、自社商品に関わるデザイン業務を行うようです。残業は少なく、福利厚生もしっかりしています。デザインを専門としている上司同僚ではないため、仕事とプライベートを割り切っている人が多く対人関係がつらいと思っている人は検討してみてください。
2つ目はWebデザイナー。スキルの互換性があるので新たに身につけるべき学習のハードルが低いのが特徴です。Webサイトの仕組みなど学ぶこともありますが、比較的スムーズにシフトしやすい職業です。
3つ目は営業や企画。異業種にはなりますがクライアントの要望をヒアリングして実現してきた経験が、お客様の悩みを聞きサービスを提案していくスキルとして大活躍します。0から1を作り上げてきた経験とクリエイティブな思考は重宝されるはずです。
4つ目はフリーランスとしての独立。働く場所や時間、受ける案件が自由になります。2〜3年以上実務経験を積んだのなら独立も可能です。フリーランスのエージェントサービスも多くなってきているため、うまく活用すれば高報酬の案件につなげることもできます。
何度も辞めたいと思っていても仕事を辞めることは勇気が入ります。そう思いながらでも働き続けた職場での経験は今後の人生において必ず役立ち、ご自身の心の支えになるでしょう。まずはグラフィックデザイナーの働き方の実情を理解し、今後の働き方を考えてみましょう。今の職場を辞めて新しい会社で働くことで解決する問題もあるうえ、異業種への転職でもスキルを活かすことは可能なので、選択肢の視野は広く持ちましょう。