雑誌や新聞、ポスター、企業のロゴなど、平面で展開するデザインを作るグラフィックデザイナー。一人前のグラフィックデザイナーになるために日々奮闘している方や、これからグラフィックデザイナーを目指したいという方も多いでしょう。ここでは、グラフィックデザイナーとして成功するために身につけておきたいスキルを紹介します。
キャリア1~2年目の駆け出しデザイナーなら
キャリア1~2年目の駆け出しデザイナーの方は、念願のデザイナーになれたと喜ぶのも束の間、先輩デザイナーのアシスタントとしてもがく日々が続きます。そんな駆け出しデザイナーの方が身につけておくべきことは、アシスタントの業務として行うことが多いリサイズや、先輩デザイナーから多くの学びを得ることです。リサイズとは、サイズの変更にともなってデザインも変更することを指します。サイズを変更するといっても、縮小や拡大をすればいいというわけではなく、デザインとして成立させなければいけません。
一つのデザインとして細かいところにまでこだわるため、リサイズの業務で徹夜になることもあります。また、優秀なベテランの先輩デザイナーから多くの学びを得られるのはこの時期だけです。体力的にも精神的にも疲労がたまってしまう時期ですが、この時期の努力が、デザイナーとしての実力につながります。
キャリア3~4年目の若手デザイナーなら
キャリア3~4年目の若手デザイナーの方は、アートディレクターや先輩デザイナーのアシスタント業務が主な仕事になります。そんな若手デザイナーの方が身につけておくべきスキルは、発言力とアイデア力、そしてプレゼン力です。グラフィックデザイナーは、黙々とデザインを作っていればよいわけではなく、会議などで発言してアイデア出しをすることが非常に大切です。そのため、この時期はアシスタント業務をしながら、発言力とアイデア力を身につけておくとよいでしょう。
さらに、グラフィックデザイナーは、仕事内容によってはクライアント先でプレゼンテーションを行うことがあります。そのため、発言力とアイデア力と同時に、プレゼン力を身につけるとよいでしょう。この3つのスキルがあるグラフィックデザイナーは、若手でも仕事がくることが多いです。
キャリア5~6年目のチーフデザイナーなら
キャリア5~6年目のチーフデザイナーにもなると、アイデア出し、プレゼンテーション、制作までデザインのすべてを手掛ける「アートディレクター」と同じ業務内容になっていきます。チーフデザイナーが身につけておくべきことは、「自分のスキルの棚卸し」です。
自分が今まで身につけてきたスキルを一旦棚卸しし、問題点と向き合うことが大切になります。このチーフデザイナーの時期の過ごし方で、今後アートディレクターにキャリアアップしたあとに活躍していけるかどうかが変わるのです。
■アートディレクターになったあとは?
グラフィックデザイナーとして10年前後の経験を積み、アートディレクターとして仕事を任されるようになると、自分の下にデザイナー、カメラマン、コピーライターがつくことになります。さらに、予算管理、スケジュール管理も加わり、最終的な責任を持つのもアートディレクターの仕事です。この時期になると、さらにクオリティの高い仕事をするために、他社に移るという方も増えてきます。
アートディレクターとしての経験をさらに積んで、制作の全工程を自分で行い、自分の手で制作を手掛けるアートディレクターもいれば、クリエイターとして、下のスタッフやクライアント先と密に連携をとり、自分自身で制作はしないというアートディレクターもいます。どんなアートディレクターになりたいか考え、今後も活躍できるよう、どのように成長していくのか改めて考える時期でもあるでしょう。
グラフィックデザイナーとして一人前になるには、たくさんの努力と経験が必要です。そして駆け出しから若手、チーフデザイナーの時期の過ごし方で、その後アートディレクターとしてどう活躍するかが変わってきます。これからグラフィックデザイナーとして成功したいと考えている方は、駆け出しや若手時代の努力を怠らず、大切に過ごしてください。それが、のちのデザイナー人生を左右します。