人工知能であるAIの発達により、デザイン分野をはじめとするさまざまな領域でAIが活用され始めています。そのため、グラフィックデザイナーとして働きたい、現在働いている方の中にも、将来の仕事に影響するのではと危惧している方も多いでしょう。そこで今回は、グラフィックデザイナーの仕事はAIに代替されるのかを解説します。
クリエイティブな分野で台頭するAI
AIツールが急速に発達したことで、画像生成や文章作成などがAIツール上で完成するようになっています。内容やツールによっては、人間が作成するのと変わらない精度で完成させられるものもあるうえに、人間のようにパフォーマンスにムラがなく、スピーディーに仕事を完結させられることから注目されています。
グラフィックデザイナーの仕事でいうと、繰り返しの作業やデータの処理、テンプレートベースのデザインなどは、AIツールによって効率的に行われることができます。しかし、デザインの核となるクリエイティブな思考や感性、コンセプトの発想などは、AIが完全に代替することはむずかしいでしょう。
デザイナーは自身の経験や感性を通じて、クライアントの要求や目的に合わせた独自のデザインを創造することができるからです。また、デザインの分野では、人間の視点や感性が重要な要素となります。
デザインは文化や感情を反映させるものであり、単に視覚的な魅力だけでなく、メッセージの伝達やユーザー体験の最適化など、多様な要素を総合的に考慮する必要があります。そのため、将来的にはAIの発展により、デザイン業界の仕事の一部は変化するかもしれませんが、現時点ではデザイナーの役割や存在はなくなることはないと考えられます。
グラフィックデザインはAIに代替される?
デザイン生成が可能なAIの登場と浸透により、デザイナーの仕事がAIによって代替される可能性が生まれました。これにより、「デザイナーの仕事がなくなるのでは?」という不安を感じている方もいるでしょう。しかし、結論からいえば、デザインAIは人間のデザイナーの完全な代替をするわけではありません。
というのも、デザイナーは感情やクライアントの抱えるニーズ、イメージなど、さまざまな要素を踏まえて、経験やノウハウから最適なデザインを生み出します。クライアントとのコミュニケーションなど、AIが代替できない人間の特性を持っているからこそ完成できるデザインであり、この部分をAIが上回ることはできないでしょう。
しかし、AIは特定のタスクやデータ処理は得意な分野であり、大量のデータを高速かつ正確に処理するなど、時間と手間のかかる作業を効率化することが可能です。人為的ミスが発生することもないため、特定の作業では人よりも役立つことがあります。
このように、ひとえにAIといっても、グラフィックデザイナーの仕事のすべてを担うことはできないため、適材適所でAIを導入することで、企業やデザイナーにメリットが生まれると考えられます。
AIはデザイン業務にどのように用いられるか
グラフィックデザインが可能なAIが登場したことで、これませはAIで行うのがむずかしいとされてきたクリエイティブな領域でも活用できるようになりました。AIはデザイナーの雑務や大量のデータ処理、分析などが得意であるため、過去のデータをもとにニーズを予測したり、画像を加工したりできるほか、トリミングや色分けなども可能です。
とはいえ、デザイナーの仕事をAIが完璧に代替することはありません。つまり、AIが得意な分野で上手に活用していくことで、グラフィックデザイナーの業務の効率化やコスト削減につながるといえるでしょう。
まとめ
デザインAIが登場したことで、従来ではむずかしいとされてきたクリエイティブな領域の内容でも、AIの技術が生かせるようになってきました。しかし、AIが発達してからといって、グラフィックデザイナーのすべての仕事を代替できるわけではありません。
クライアントとコミュニケーションを取り、感情や心理に基づいたデザインを作成するといったことは人間にしかできないからです。ただ、便利なツールであることは間違いないため、AIが得意な分野においては積極的に活用していくことで、業務効率化やデザイン精度の向上につながるでしょう。