グラフィックデザイナーと聞くと、個人の技量による華やかな世界、デザイン力さえあれば個人の力で成り立つ職業のように感じる人もいるでしょう。会社で働いたり、フリーで働いたり、グラフィックデザイナーにも様々な形の働き方があります。今回はその中でも、グラフィックデザイナーに必要なコミュニケーションスキルを解説していきます。
グラフィックデザイナーはコミュニケーションスキルも必要
会社で働くにせよ、フリーで働くにせよ、グラフィックデザイナーという職業は、コミュニケーション能力をしっかり持ち、信頼される人間関係を築き上げることが求められます。
取引相手にへりくだりすぎるのも、なれなれしい態度や慣れによる雑な対応も禁物です。挨拶や自然な笑顔で接すること、時間を守るといった社会人として最低限のマナーを心がけるのは必須なのです。
打ち合わせ時などで、ユーザーやクライアントが望むもの、期待するものをしっかり把握し、仕事相手の性格なども理解するように努めることも大切です。デザインを見る、もしくは使用するユーザーとデザイナーとの間で、最適なコミュニケーション方法を考えるのもデザイナーの仕事です。
クライアントの話を勝手に解釈したり、ユーザーの目的を履き違えてしまったりすると、仕事が円滑に進まなくなります。例えば、狙った意図と違うデザインになってしまうことや、デザインの要望をうまく具体化できず、何度も制作でクライアントからの修正が発生してしまうこともあるでしょう。
もともとコミュニケーションスキルが高い人の特徴
第一にコミュニケーションとは「双方向」であることが大切です。そのため、相手の話や感情、伝えたいことなどを無視して、こちらが一方的に話をするのは「双方向」であるとはいえません。
よくしゃべる人が必ずしもコミュニケーション力が高いとは限らないのです。無口で内向的な性格でも、相手の気持ちを察することや、会話を上手く運ぶことができる人もいます。
更にコミュニケーションには「言語」「非言語」の2種類があります。言語とは言葉そのものであり、非言語とは身振りや手ぶり、表情や声音などといった視覚、聴覚から得ることができるものです。
「何を」「どうやって」話すかなどという部分に意識が向いてしまいがちなコミュニケーションの磨き方ですが、実際のところ、相手の感情を読み取る時には、大部分の情報を非言語の部分、つまり視覚や聴覚から得ていることがわかっています。これを「メラビアンの法則」といいます。
コミュニケーションスキルを磨く方法
1対1で会話をしていく中で、自分が話す時間はおよそ4から6割に留めると互いに会話が弾むと言われている「ピンポンルール」というものがあります。
6割以上話すと「自分のことを話しすぎ」、4割を切ってしまうと「こちらの話に興味がない」と思われてしまいます。そのため、このバランスを取って話すことを心がけるのがいいでしょう。
コミュニケーションのスキルを磨くには、上司や仲間などにケーススタディやロールプレイングなどといったレクチャーをしてもらい、現場で実践する必要があります。
まずは「相手の話を最後まで聴く」ということを自らの姿勢や態度で示していくこと、更には相手の伝えたいことを理解する力をしっかりと身につけていきましょう。そして、相手の感情や本当の考えなどを汲み取るために、日頃からクライアントやユーザーに意識を向け、そして観察することを習慣化し、「読み解く力」を伸ばすことが大切なのです。
まとめ
これらの能力は常に、実践することにより磨かれ、伸びていきます。ぜひ日常の中でも意識して実践すると良いでしょう。グラフィックデザイナーに限らず、どんな仕事でもコミュニケーションスキルは必須です。
そのために最適な方法を考えるのがデザイナーの仕事であり、優れたデザイナーになるために必要な基礎能力としても、コミュニケーション能力はとても大事なのです。