グラフィックデザインを学んでいく過程で、IllustratorとPhotoshopのどちらを重視すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。どちらのツールも重要ですが、それぞれの違いを理解することが大事です。この記事では、どちらが重視すべきソフトなのかについて詳しく解説しているので参考にしてください。
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IllustratorとPhotoshopについて解説
IllustratorとPhotoshopは、1987年と1990年に登場して以来、世界中のデザイナーに広く愛用されているAdobeの画像関連ソフトです。今でもバージョンアップが行われるなど、常に進化し続け、多岐にわたる業界で幅広く活用されています。画像制作、加工や編集に力を発揮しシェアを広げる、優れたツールです。
IllustratorとPhotoshopの違い
IllustratorとPhotoshopは、両方ともAdobeが開発したソフトウェアですが、その画像処理方法には大きな違いがあります。
Illustratorはベクター処理を採用するソフトウェアで、Photoshopはラスター処理を行っているソフトです。点と点を線で結んで画像を構築するベクター処理では、座標を指定して線画します。
一方、ラスター処理では、細かい点の集まりひとつひとつに色を付けて画像を表現するという考え方です。座標を指定して線画するベクター処理は、拡大・縮小に強い特徴があります。一方で点ごとに色情報を指定するラスター処理では、拡大すると同じ色の範囲が増えることで繊細さがなくなり、画像は荒くなります。
さらに、IllustratorとPhotoshopの違いを考えるうえで重要なポイントは、塗りと線に異なる色を指定できるか否かです。Illustratorはオブジェクトごとに塗りと線の色を細かく設定できるため、より明確で柔軟なカラーリングが可能です。
以上の性質から、IllustratorとPhotoshopは活躍できるフィールドが異なります。Illustratorはレイアウト組みや、アイコンやロゴ制作に向いていて、Photoshopは画像加工やアーティスティックな画像に向いています。
グラフィックデザイナーがメインで使うのはIllustrator
グラフィックデザイナーにとって、主力ツールとなるのはIllustratorです。Illustratorは、点や線、ベクトルを組み合わせて画像を創り出すためのベクトルグラフィックツールです。
一方でPhotoshopは、キャンバス上に絵を描く形で画像を作成するラスターグラフィックツールです。グラフィックデザイナーの役割は、デザイン全体のレイアウトやバランスに重きを置くことが多く、拡大・縮小や再配置を多用する点でIllustratorが優れた選択肢といえるでしょう。
IllustratorとPhotoshopでは、ツールの特性が異なります。レイアウトやデザインの制作に使うにはIllustratorを優先すべきですが、繊細な色彩表現をともなう場合や画像の加工・合成などはPhotoshopが優れています。どちらもグラフィックデザインの核としての地位を築いているソフトなので、デザイン要件に対して使うソフトを決めるのがよいでしょう。
まとめ
グラフィックデザイナーにとって、IllustratorとPhotoshopの両スキルは重要ですが、その用途は異なります。Illustratorは座標指定による描画方法に特化しています。一方、Photoshopは細かい点に色を乗せていくイメージで描画します。どちらもデザインの幅を広げる力をもつために重要ですが、レイアウトやデザインの制作であればIllustratorを優先すべきです。クリエイティブな成果を最大限に引き出すためには、プロジェクトのニーズに合わせてツールを使い分けることが大切です。