グラフィックデザインの仕事は一見、才能のある人が活躍する華やかな仕事のように見えるかもしれません。しかし、実際は大変なことも多く、地道な努力が必要な仕事です。今回はグラフィックデザインの仕事の大変な部分についてお話しします。グラフィックデザイナーが抱える悩みについても紹介するので、参考にしてみてください。
グラフィックデザインの大変なこと
グラフィックデザインの仕事はクライアントあっての仕事です。自分の好きなデザインを提案して好きなものを作るという自由なものではありません。指示通りに制作しなければならないので、制作自体は楽しいけれどクライアントとの交渉や打ち合わせが苦手、ストレスを感じるという方も多いようです。
また、修正無しですぐに完成するものではないため何度も修正を繰り返したり、一からやり直したり、また長時間労働になることで疲労が溜まり、モチベーションが下がってしまうこともあります。どんなによいものであっても、クライアントを納得させることができなければ作品が世に出ることはないのです。
クライアントの意図を汲み取り、消費者に響くような作品を作ることは簡単ではありません。デザイナーというプロであってもまったくアイディアや発想が生まれてこないケースもあります。そんな状態であっても納期はあるうえ、できないとはいえないので追い込まれてしまうこともあるでしょう。デザインスキルやセンスだけで続けていける仕事ではないといえます。
グラフィックデザイナーが抱えている悩み
グラフィックデザイナーは一つの会社に長年勤務する人が少ないのが現状です。つまり転職による人の入れ替わりが多い職業だということです。グラフィックデザイナーは一つの会社に長年勤務しても大幅な昇給が期待できないのが一般的です。
そのため、ある程度実力がついてくると自分の能力に対して給与が見合っていないと不満になり、今より給与面で待遇のよい会社へと転職していくケースが多いといわれています。
また、同じ会社に長年勤務していると、グラフィックデザイナーではなくアートディレクターやプロデューサーといった別の職種への転身を勧められることが多いでしょう。転職はしたくない、また職種もグラフィックデザイナーとして長く働いていきたいと思っている人には、給与面で我慢するか、転職するかで板挟みになってしまう人もいます。
グラフィックデザイナーを辞めたくなる理由
どんな仕事でも「辞めたい…」と思うことは誰にでもあると思いますが、グラフィックデザイナーの退職理由としてはどんなものがあるのでしょうか。
労働時間が長い
グラフィックデザインの業界は他の業界に比べ、労働時間が長い傾向にあるといわれています。その理由としては、人手不足、納得のいく作品ができない、新人のうちは実力不足から作業に時間がかかるといった理由が挙げられます。
また、クライアントからの修正依頼の回数次第では、時間が大幅にかかってしまうこともあるでしょう。納期のある仕事のため、残業をせざるを得ません。繁忙期は休日出勤を強いられるといったこともあり、休む間もなく徹夜が続いた結果、体を壊してしまう人もいます。
残業代が出ない
労働時間が長い傾向にあるグラフィックデザイナーですが、残業代については基本給に含まれている場合や、年俸契約で残業代が付かないという会社も多いといわれています。
基本給もあまり高くないといわれる業界ですので、残業代が付かないとなると何時間残業をしても給料は変わらない、タダ働き状態になってしまいます。給与に見合わない労働を強いられることで、モチベーション低下につながり退職というケースも多いようです。
グラフィックデザイナークライアントの意向に沿ったデザインを完成させるまで大変な面はありますが、苦労した分、やりがいや達成感は他の仕事よりも大きなものを感じることができる仕事です。待遇面では不満が生じないよう、自分のレベルと給与額のつり合いがとれた職場を選ぶことが大切です。よい職場との出会いによってはこのような苦労や悩みが軽減され、楽しく働くことが可能になることでしょう。