グラフィックデザインとwebデザインの違いを解説

一口にデザイン業といっても、対象物やクライアントによって実態は大きく異なります。特に、グラフィックデザインとwebデザインの両者は、知識のない人からは混同されがちです。そこで本記事では、グラフィックデザインとwebデザインの違いと、それぞれのデザイナーの行う仕事の違いについて詳しく解説します。

グラフィックデザインとwebデザインの違い

グラフィックデザインとWebデザインの違いは、主に制作する媒体とその特性です。グラフィックデザインは、チラシやポスター、パンフレットなどの印刷物を中心にデザインを行いますが、最近ではWeb上で使用される画像やバナーも含まれます。

一方、Webデザインは、ウェブサイトやアプリのページデザインを担当し、デジタルで表示されるコンテンツを作成します。

サイズの違い

グラフィックデザインは物理的なサイズに制限があり、チラシのA4サイズからポスターのA0サイズまで、異なるサイズに対応します。Webデザインは、スクロール可能なページであり、デバイスの画面サイズに合わせたレスポンシブデザインが求められます。

色の違い

グラフィックデザインでは印刷のためCMYKカラー（シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック）を使用し、RGBカラー（赤、緑、青）に変換すると色味が変わることがあります。Webデザインで光の三原色のRGBカラーを使用し、モニターでの表示に最適化されています。

アクションの違い

グラフィックデザインは静的であり、ユーザーの直接的な操作を含まないのに対し、Webデザインはユーザーのクリックやスクロールといったインタラクションを含みます。Webデザインではユーザーエクスペリエンス（UX）が重要です。

編集ソフトの違い

グラフィックデザインにはIllustrator、InDesign、Photoshopがよく使用され、特にIllustratorはベクタ形式で印刷物に向いています。一方Webデザインには、PhotoshopやAdobe XDが主に使用され、Adobe XDはプロトタイピングや共同作業に優れています。

グラフィックデザイナーとwebデザイナーの仕事の違い

グラフィックデザイナーとWebデザイナーの両者はどちらもデザインの専門職ですが、その仕事内容には明確な違いがあります。それぞれの役割や求められるスキルについて、詳しく見ていきましょう。

グラフィックデザイナーの仕事

インターネットが普及する以前のグラフィックデザイナーの主な仕事は、チラシ、ポスター、パンフレット、パッケージ、看板、雑誌などの印刷物をデザインすることでした。近年は、Web上のバナーやSNS画像など、オンラインで使用するデザインもグラフィックデザイナーの仕事です。

グラフィックデザイナーは、プロジェクトの企画段階から関わり、コンセプトやターゲットに合わせたデザインを制作します。ディレクター、カメラマン、コピーライターなど、他の専門職とチームを組んでプロジェクトを進めることも多いです。

資格については特に必要ありませんが、大学や専門学校で美術やデザインについて学ぶことが一般的です。また、社会人として働きながらスキルを磨くことが多く、独学でスキルを高めている人も多い業種になります。

Webデザイナーの仕事

Webデザイナーは、インターネット上のさまざまなWebページやコンテンツのデザインを担当します。Webデザインの仕事は、デザイン制作にとどまらず、コーダーやエンジニアとのコミュニケーションも求められるため、デザイン以外の知識やスキルも必要です。

Webデザイナーは、ユーザー体験やユーザーインターフェースの設計に加え、レスポンシブデザインやSEO（検索エンジン最適化）の知識が必要です。

まとめ

デザイン業界には、グラフィックデザインとWebデザインという二つの主要な分野があります。グラフィックデザインは、チラシやポスターなどの印刷物から始まり、現在ではWebバナーやSNS画像も手がけています。一方Webデザインは、ウェブサイトやアプリのデジタルコンテンツを作成し、ユーザーのインタラクションに対応する業務です。両者の違いは、サイズや色の表現方法、ユーザーアクションの有無、使用する編集ソフトにあります。グラフィックデザイナーは印刷物としての出来を中心に、Webデザイナーはデジタルでのユーザー体験を重視するのです。